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インタビュー:パリ郊外でサッカー漬けの日々

「日本人であるということを意識するようになった」
2001年10月号・・・葛和 修治さん
Q.フランスのワーキングホリデーを選んだ理由は?
A.「ヨーロッパでサッカーをしたい」というのがちっちゃい頃からの夢でした。その道を模索してたら、丁度フランスにタイミングよくワーホリができたんです。
Q.VTの目的はサッカーだったとのことですが、チームに所属するまでの流れを教えてください。
A.VTビザの取得が決定した後、観光ビザで1度渡仏して、チーム探し。まずはテストを受けさせてくれるチームを探さな、とフランスサッカー協会でチームの連絡先をもらい、片っ端から電話。といっても最初に電話したチームがテストを受けさせてくれることになり、翌日テストマッチに出場。そんでもって、たまたま大活躍?!その翌日に契約完了。これはきっと日頃の行いがいいからやと…。
Q.渡仏準備はどうされましたか。
A.チームとの契約後すぐに帰国。1週間後に再び渡仏。住居はチームが用意してくれるというので、あとはサッカーシューズさえあれば何とかなるかと思い、着の身着のままといった感じで出発しました。そうそう、あの時日本は暑かったので、フランスの気候を考えないで長袖の物を一切持っていかず、時に非常に寒い思いをしたような…。その後も常に懐は寒いまんま。当時フランス語は「ボンジュール、メルシー、ジュ・テーム」のみでしたが、「いけば何とかなるやろ」と思い、特に勉強せず。1年以上経った今、だいぶ話せるようにはなったものの「ジュ・テーム」はいまだ使用機会訪れず・・・無念。
Q.お住まいはどんなかんじでしたか。
A.1年目はサッカークラブがあるサンノア市(パリ郊外)の市長宅の離れに下宿してました。1軒屋2階建て。意味もなく広くて寂しい思いをしたっけ…。2年目は、語学学校がパリにあるという事でパリに引っ越しました。1年目の10分の1の広さに。しかし、怠け者の僕にとって、寝返りで全てのものが取れるのはとても快適。余計なものも増えないし。というより増やせへんだけ…。
Q.どのようなスケジュールで日々過ごしているのでしょうか。
A.1年目はVTビザで来ていたので働けたものの、結局定職にはつかず。とにかくサッカー漬けの毎日。練習前にチームメイトにフランス語を教えてもらうこともありました。その他のひまな時にはパリを散歩。2年目には学生ビザに切り替えたので、仕事はダメ。相変わらずサッカー漬けの毎日。午前中は語学学校に通うものの、先生がかわいくないせいでいまいち学習意欲が湧いてこない今日この頃。
Q.今までのフランス滞在の中で一番嬉しかったことを一つ挙げるとしたら?
A.昨年のクップ・ド・フランス(フランス選手権)8回戦で1対0と勝ちながらも相手チームに押し込まれている時間帯に途中出場。そして、1分後得点。その5分後にさらに追加点!地元での試合だったので、観客席では「ピカチュウ(僕のチームでのあだ名!?)」コールが沸き起こりました。試合終了後もそのまま大歓声。その雰囲気にはしびれましたねぇ。フランスに来てよかったと思わせてくれた瞬間でした。
Q.反対に悔しかったこと・腹が立ったことは?
A.下世話な話しになりますが…小便用の便器に届かへんかったこと。日本のそれより高くて、大人用では背伸びをしないと届かない。郊外のサービスエリアのはもっと高くて、背伸びしても届かない。よく、チームメイトに「お前のはこっち」と子供用を指差される…。身長170センチ以下の人は要注意!!
Q.ズバリ、葛和さんから見たパリはどんな所ですか??
A.かわいこちゃんが多いかと。それから、散歩をしていて楽しいですね。1年間でかなり歩き回ったけど、2年目の今も飽きることなく楽しいっす。
Q.フランスで過ごしたことで日本や日本人に対する見方が変わりましたか?
A.日本では人間関係のややこしさに時々うんざりさせられ、逆にフランスでは素っ気無い人間関係やストレートな発言にショックを受けることもありました。どちらにもそれぞれ一長一短があるかと思い、その中庸を現在模索中。また、自分自身が日本人であるということをよく意識するようになりました。自分の行動が、「葛和修治」個人としてではなく、「日本人」全体のイメージとして受け取られることがあるようで、責任を感じます。
Q.滞在中に新しくできた趣味はありますか?
A.1つ目は人間ウォッチング。フランス人の行動を見ていると飽きないですよ。2つ目は、卓球。フランス人は密かに卓球が上手い。不器用そうで上手い。公園に卓球台があるので、日々負けつづけている僕は密かに特訓中です。そして3つ目は、ペタンク。このおじサンゲームにハマったら止められない。腹が出て何も出来なさそうなおっさんに限って上手い。そんな人に負けると悔しいんですよね。これも密かに特訓中。しかし、これにはかなりの年季がいるみたいです。
それから最後に、読書。自分で自由に使える時間が増えたので読書の量が増えました。なんて勤勉なんやろ。いや、日本語に飢えているだけという話も…。
Q.滞在期間終了後の予定などはありますか?
A.僕の人生の最終目標は、生まれ育った「四日市」にプロのフットボールクラブを作ること。滞在終了後はその目標に近づくための活動を続けられたらええなと思います。
Q.これからVTでフランスに来ようという方々に向けてのアドバイスがありましたらお願いします。
A.1年間という期限があることや働けることによって、「何かしないと!!」という脅迫観念みたいなものが生じがちですが、単に自分自身と向き合ったり、日本という国について外から見て考えたりするだけでも意味があるのでは、と僕は思います。せっかくフランスという、ゆっくりと時間の流れる国に来るんだから、その流れに身を任せるのもいいんとちゃう??
ありがとうございました。文化も言葉も違う国で暮らすということは時には大変でもありますが、その分学びとることもたくさんありますね。飄々とした口調で語ってくださった葛和さん、これからも夢に向かって走り続けてください。


